空と花とキミと

蒼くに澄んだ空を見上げた。
所々に白い雲が浮かんでいる。
「綺麗だな〜…」
思わずそう呟いた。
どこからともなく花の甘い香りが漂ってくる。
季節は春。
風もぽかぽか暖かくて気持ちがいい。
ごろんと草の上に寝転がる。
頬を白い小さな花がくすぐる。
「ふふ…」
知らず、少し微笑んだ。
幸せな時間。
柔らかな草のベッドと、暖かな陽の光。
もう少しすれば、三蔵も戻ってくる。
そんな幸せな気分に包まれて、うとうとと目を閉じる。


春の午後。
好きな人を待てる幸せ。
幸せの時間。


「オイ、猿。 こんなところで寝てるんじゃねぇ。」
不機嫌そうな三蔵の声。
だけど、それが本心じゃないって知ってる。
閉じていた瞳を開ける。
「なぁ、三蔵も寝転がってみれば? 超気持ちいいからさっ。」
見上げたところには、太陽の光と同じ金色の髪の毛と紫の瞳。
「ふんっ…」
とさりと横に腰を下ろした三蔵も、蒼い空を見上げた。
白くて綺麗な手が、俺の頭を撫でる。
「…寺院で、また何か言われたか?」
「うぅん、そうじゃねぇけど…」
さりげなく気遣ってくれる三蔵が好き。
「そうか…。」
カチッという音とゆらゆらと昇っていく紫煙。
「もう少ししたら、帰るぞ。」
「うん。」
俺たちは2人して空を見上げた。
風が白い花びらを運んだ。
何の変哲もない、春の午後。
幸せの、時間。



―――――――――――――――† あとがき †―――――――――――――――
今回は幸せほのぼの日常風味(謎)ですvv
前回あまりにも痛くて後味の悪いお話だったんで…(苦笑)
というよりも、某曲を聞いてたら無性に幸せな話が書きたくなったってだけ。
あはは〜(汗) 青い空と白い小さな花とその下で幸せほのぼのな三蔵と悟空。
これが書きたかったって話ですね。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――




モドル

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送