やっぱ、ヤニ切れはつらいっしょ。
んなわけで、俺は八戒に頼まれた買い物がてら街へと出た。
ついでに、三蔵からもタバコを頼まれてる。
「マルボロの赤、ソフトでな。」
そういって俺の顔も見ずにカードをよこした。
「ま、そりゃ、いつものことだからいーんだけどよ。」
一人呟く。
確かにいつものことだ。
あの生臭坊主が他人に関心や興味を示さないのは。
だから俺は、アイツが何を考えてるかなんてわかんねぇし、別に気にもしない。
八戒とは違った意味で、掴めないやつ。
「なんだかね…」
気にもしないし、気にもならなかったはずが…なんか最近変わってきたらしい。
無関心な態度が気に入らない。
せめて目を見ろってんだ…そんな風に思う。
成り行きで一緒にいるだけの変な4人組。
バカ猿や八戒はそんな気にならねぇけど…アイツは、なんか、気になる。
こっちを向かせたい…そんな欲望が頭をもたげ始めてる。
分かってる。
見た目だけならたしかに滅多にいねぇくらいの美人だけど、アイツは女じゃない。
待て…俺は綺麗なおねーさんにしか反応しないはずだぞっ?
っていうか、俺はホモかっ??!
うぞぞぞぞ…
「うぁっ、サブいぼ…」
自問自答の末にそんな結果。
多分、男とか女じゃなくて。
ただ単に、アイツだから…気になるんだと思う。
あいつが何を考えてンのかとか、どこ見てンのかとか。
すっげぇ、気になる。
ただ、それだけ。
買ったばかりのハイライトを開けて中から一本取り出す。
まだしばらくは、イヤでも一緒だしな…
片手でマルボロをもてあそびながら、宿の前まで戻った。
「あ…」
やべぇ、すっかり八戒に頼まれた買い物忘れてた…
このまま帰ったらにっこり笑った八戒に殺されかねない。
仕方なく俺は、街の方へと戻ったのだった。





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