ハルヲアイスルヒト

 陽の光が差しこむ寝室。
 その明るさに目をあけた。
 窓を通しての柔らかな光が、隣に眠る八戒の横顔を
 優しく照らし上げる。
 柔らかな黒色の髪が日に透け、茶色く光っている。
 安らかに眠るそのさまを見て、知らず微笑が浮かんだ。
 起こさぬよう気をつけながらその髪を少し手に取って、
 接吻<くちづけ>を落とす。
 何時の間にか魅せられていた。
 過去、疵、性別…。
 そんなことに悩んだときもあった。
 距離をおいてみたこともあった。
 だけど、そんなことはお構いなしに惹かれていくココロ。
 誰よりも近くにいたい。
 手放すことなんて考えられない。
 狂おしいほどのこの想い。

 そして、こうして今は八戒の隣にいる。
 そのことが、何よりも自然で…何よりも嬉しい。
 「こんな気持ちになれるなんてな…」
 穏やかで暖かな気持ち。
 まるで、春の陽の光のような…。
 決して八戒の前では口にしない言葉をそっと呟いた。
 「…愛してるぜ、誰よりも…な。」
 もう一度その髪に軽い接吻<くちづけ>を落とし、
 寝直すために布団へともぐりこんだのだった。



† 夏樹葉の呟き †
ただ単に幸せな58が書きたかったんです…。
ほら、そろそろ春だし…(逃)←関係なし。



モドル

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送